江戸時代~大正時代
繊維産地としての歴史は古く、江戸時代の木綿織物に始まり、その独特な織物は明治時代に入り、川上ネルと呼ばれ飛躍的な発展を遂げました。
そして明治初期、この地域が世界で唯一のパイルファブリック産地となったルーツである「再織(さいおり)」と呼ばれる特殊織物の製法を前田安助氏が創案し、それ以降はその生産に転換していきました。
再織とは、世界的にもチェコスロバキアやスコットランド以外に類の無い手工業的な織物であり、当時の外国商館よりカーテン、テーブルクロスなどの注文を受け、アメリカに輸出されて好評を博した特殊織物でした。
その後大正時代に入り、より新しい織物の研究が繰り返され、西山定吉氏によりシール織物が考案されて、量産可能な機械化時代に突入。昭和の始めには、ドイツから二重パイル織機が導入され、産地は戦前の最盛期を迎えました。