紀州繊維工業協同組合

高野口パイルの紹介

高野口01

高野口地方の、パイル織(編)物(別名 シール織物・シールメリヤス)は、織(編)物の基布に毛(パイル糸)が織り(編む)込まれている特殊な有毛布地であります。

シールとは、「アザラシの毛皮(SEAL)に似た布地」という意味で合成繊維の開発により、いろいろな素材がパイル糸(毛)に使用されるようになり、独 特の光沢と風合い、そして弾力性、保温に富む格調の高い特殊織(編)物として国内のみならず、世界的にも知られているものです。

パイル織(編)物の製品は高級毛布をはじめ金華山織、綿ベロア生地などのシート生地、応接セット、椅子張り、壁装、カーテン、カーペット、クッション、 スリッパなどのインテリア用品、婦人紳士子供用服生地、アウトウェア用生地、防寒用のショール、化粧用パフ生地などの衣料用品、毛布、シーツ、コタツ掛 け・敷、布団、ひざ掛などの寝装用品、ぬいぐるみなどの玩具生地、人工芝用生地まで、あらゆる分野で広く愛用されています。

 

 パイル織(編)物の歴史

history01 産地としての歴史は古く、江戸時代の木綿織物にはじまり、その独特な織物は明治に入り、川上ネルとよばれ飛躍的な発展をとげました。 明治の初め前田安助氏が再織(さいおり)という特殊織物の製法を創案し、それ以降は再織の生産に転換したのです。 再織は世界的にもチェコスロバキヤ以外に類のない手工業的技術の特殊織物で、当時の外国商館よりカーテン、テーブルクロスなどの注文を受け、米国に輸出されて好評を博したものであります。 その後、大正時代に入り、より新しい織物の研究がくり返され、西山定吉氏によりシール織物が考案されて、量産可能な機械化時代に対応する姿となりました。 そして世間で話題になった大正ロマンの代表的商品である婦人のシールのコート、「君の名は」の、まちこ巻きなどの流行商品を生みました。

昭和のはじめには、ドイツより二重パイル織機を導入し、昭和12年頃には、産地はその生産で潤い戦前の最盛期を迎えることになります。 パイルの素材は、当初木綿、絹、人絹糸、羊毛が多く用いられていました。戦後原料糸の統制撤廃と共に再開され、朝鮮戦争勃発と共にモケットが衣料(ジャンバー)として好評を博し、つづいてアフリカむけに人絹シールが輸出されました。 昭和30年代に入り合成繊維が開発されたのに伴い、昭和34年頃から衣料(婦人用コート)が流行し、また生活の洋風化に伴い椅子張用モケット(トービス 糸、ナイロンのクリンプモケット)さらにアクリル糸等新素材の開発、新技術の研究が進み、昭和40年代に入り、レピア織機、ラッセル機、ハイパイル機、シ ンカーパイル丸編機等新しい織(編)機が導入され、両面パイル毛布等の寝装品関係、インテリア商品、衣料用品と用途が広まり、消費者ニーズの多様化に伴い 新しい展開を試み今日にいたっています。


高野口のパイル生地について

織物

この産地のパイル織物の歴史は、昭和の初めにドイツよりW力織機を輸入したところから始まります。その後、国産W力織機、海外と技術提携した国産レピアW織機、海外レピアW織機、とその時代に開発された織機を導入して今に至っております。パイル織物を造るためには、W織機と呼ばれる機械が使われます。

普通の織機との違いは、

この包丁は織った生地を横糸と平行に2つに切る作業を行います。この2つに切る作業でパイル織物が生まれます。すなわち、上下面の間に糸が交差している形態 が織が完成している状態であり、その交差している部分を切ることによってパイル生地が生まれます。上下面を裏地と呼び、交差している糸をパイルと呼びま す。なお、他の織機と同じようにW織機専用のドビー、ジャガードが機械に付きます。しかしながら織っただけでは製品にはなりません。W織機以外の機械によ る製造されたモノと同様にこの後の多様な行程により製品になります。


再織(さいおり)

「再織」(シェニール織)は、一度織り上げた生地を縦糸のそって裁断しモール状の糸に仕上げます。 そのモール状の糸(モール糸)を今度は横糸に使用し再度織り上げることから(再び織る)、「再織」と呼ばれています。 類を見ないこの特殊織物は、表裏のない美しい表情を持った製品に仕上がります。 日本では、明治10年にスコットランドで製造されたシェニール織(再織)を和歌山県高野口町の前田安助氏が手に入れ、幾多の苦労のすえ製造方法を考案しました。 ハンカチ・バッグ・ポーチ等のファッション小物や、クッション・マット等のインテリア製品、エプロン・ハンドタオル・スリッパ・トイレタリー等の水回り製品に使われています。


パイルメリヤス(丸編み)

高野口地方のメリヤスの歴史は明治40年頃にさかのぼります。その後、大正時代には現在の主流となる、メリヤス編みにパイル糸を織り込んだ「パイル織物」となり、昭和に入ると輸出産業として急成長をとげます。 そこにたずさわる人々の不断の努力により技術改良、技術向上がなされ、現在へとつながる多様な編み方が考案されました。

そして現在、様々な新しい機械が導入され、量産される環境においても、職人の「手」と「目」を頼りにその日の天候や糸の状態により微妙な機械の調節を行い、生産の工程を厳しく管理するなど、丁寧なものづくりは変わることはありません。 古きよき時代にあたらしい技術を重ね、日々、機械の改良、新しい製法が提案されています。そしてこの地に根付いた“ものづくり”のストーリーはこれからも続いていきます。

メリヤスは漢字で書くと「莫大小」であり、それは伸縮自在・大小なく合う事を意味しています。 その言葉どおり、ぬいぐるみ、衣料、インテリア…とその用途は多岐にわたります。そのなかでも最も多くを占める衣料の分野では、「頭の先からつま先まで」といわれるほど使用範囲が広く、帽子・マフラー・バッグ・手袋・冬物衣料(ライナー・フードまわり・襟・コート全面仕様など)・靴といったように、多種多様な商品に使用されています。

また使用する原料、毛足の長さ、染色、プリント、ジャガード織り、タンブラーや型置きによる加工等により、商品に様々な付加価値や機能性をもたせることができます。 たとえば本物のファーと区別がつかないほどリアルな商品や、逆にリアルファーにはない色・毛並みなど、顧客のニーズにあった独自の商品を作り出すことが可能です。


 
ラッセルパイル(径編み)

パイル生地を作る機種はラッセル機の中でもダブルラッセルと呼ばれる機種が使われ、編機は大型で130インチ(330cm)の巾迄編むことが出来、通常オサ枚数は5~6枚を使い、チェーンの組合せを変えることによって組織の変更を行います。 パイル長は機種を選択する必要は有るが1.5mm~30mmが可能である。ゲージは16・18Gがこの地域で使われており、パイル糸は一般的に大量生産に向く機種である為クリルスタンドにコーン巻にした糸約1000本(1~2kg巻)そのまま乗せられる事が出来ます。

また、織物と同じように、パイル糸と地糸と共にビームに巻かれ使用される。これ等をニットしながら編上げられ、出来上がった生地の機能は織物とメリヤスの中間に有り、経編みとも言われている。 工程の流れは原糸→整経→編立→センターカット→生機検反→染色又はプリント→仕上げ加工→仕上検反となります。

良い点は

以前は2の特徴を生かし毛布etc寝装品に多く使われたが中国から安い品が多量に入って来た為、最近では1・3・4・5の機能を生かして、やわらかい風合の衣料生地、3Dの形状を使った寝装品、メッシュ構造を利用した産業資材用エアフィルター、活性汚泥法に使用する固定化担体等に使用されている。


シンカーパイル

シンカーパイルとは、シングル丸編み機でシンカー(パイルを構成するための編み機部品)を用いて編み立てられたループ状の生地を指します。 基本的にはパイル糸とグランド糸で構成されタテヨコの伸縮性に富んだ編地です。

シンカーパイルを分類しますと、そのままで仕上げたパイル素材・パイルを起毛したフリース調素材・パイルをシャーリングカットしたベロア素材等に大別されます。 また、その中でもコンピュータージャカードを駆使したパイル・起毛・ベロア等、シンカーパイル素材も多岐にわたります。昭和40年代高野口産地にシンカーパイル機が導入されて以来、日々進化し続けております。

使用製品も多岐にわたり、アパレルはもちろんのこと、寝装では毛布・シーツ・介護用シーツ・ふとん側地・ピロケース等・雑貨資材ではクッション・介護マット・クリーナー・靴中材・帽子・小物入れ等、生活に携わる物全般に取り入れられております。


スライバーニット(ハイパイル)

様々な生地の中でも、スライバー(綿をロープ状にしたもの)をそのまま編み込むものをスライバーニットと呼びます。専用機になり、組織は天竺丸編みです。 地糸にいろいろな長さの綿を直接V字に編み込むスタイルのおかげで、長い毛足の生地を仕上げることが可能となり、別名ハイパイルニットとも言われています。

毛足は最大20cm程度まで、目付けも㎡あたり2kgまで規格できます。立て糸本数の少ない丸編みなので小さいロットでの短納期対応ができ、また素材は天然素材のウール、綿から、化繊のポリエステル、アクリル、ナイロンまであらゆる繊維を組み合わせた編み立てを行います。 日本では、約50年の歴史があり、現在は2社のみの生産体制となっております。

毛足や目付けの生地規格が自由に行えます。空気をたっぷり含ませながら丁寧に編むことから、暖かさを求める冬のコートの身頃や附属、ボリュームがあるのに軽いエアウール調のカットソーなどに適しています。 毛皮調のリアルな表現でヨーロッパでは毛皮のセカンドコートとしても広く使われています。自然と動物ライクなのでぬいぐるみ素材としても利用されます。

広巾200㎝のものづくりができますので、インテリアでは、マット・ラグ・カーペット、寝具では、ウールを使用して敷き毛布・掛け毛布・ふとん側地などにたくさんの実績があります。 繊維を直立させる高密度の生地作りが得意ですので無数の点で支える体圧分散を必要とするメディカル用途や、毛管現象により高い保水率、吸水率を求める産業資材用途にも適しています。 すべての規格について4色までの柄編みができます。

注目記事

妙中パイル織物株式会社インタビュー
妙中パイル株式会社インタビュー
青野パイル株式会社インタビュー
青野パイル株式会社インタビュー
米阪パイル株式会社インタビュー
米阪パイル株式会社インタビュー